栄養管理課

栄養管理課は、入所者様・利用者様の食事の提供に携わっています。食事は身体作りの基本であり、生きる楽しみでもあります。

恵寿苑管理栄養士は、栄養ケアマネジメントを用いて、入所者様の栄養管理を行っています。
入所時に現在の状況・状態、入所中に必要な食支援内容を伺い、持病や身長・体重、咀嚼・嚥下状態等に合わせた食事を提供します。入所後は食事時に訪問し、コミュニケーションを取りながら、嗜好に合うか、食べにくくはないか、伺っています。
また、多職種と連携して、体重の増減や検査結果、摂取量をもとに栄養状態を評価し、今後の食事提供方法等の検討を定期的に行っています。

さらには、季節を感じられるような行事食や誕生日のお祝い膳も提供しており、退所後の生活のために必要な料理の練習も一緒に行っています。

食事やコミュニケーションを通じて、健康作りのお手伝いをしていきたいと思っています。特に、フレイルの進行予防に対し、力を入れています。

フレイルとは?

加齢に伴い、筋力などの身体機能が低下し、心身ともに弱ってきた状態のこと。

  1. 体重減少
  2. 疲労感・倦怠感
  3. 活動量低下
  4. 動作の緩慢さ
  5. 筋力の低下

の診断基準のうち、3つ以上が当てはまる状態。

虚弱を意味する英語「Frailty(フレルティ)」をもとにした造語。

フレイルの進行

加齢や体調不良により食が細くなると食べる量が減ります。食べる量が減ることにより体重が減少し、低栄養状態になり筋肉量が低下します。そのため疲れやすくなったり・筋力が低下し、身体機能低下・活動量の低下につながります。また、筋肉量が減少することにより基礎代謝自体が低下し、動かないため消費エネルギー量の低下を伴い、お腹が空かないために食べる量が少なくなるという悪循環のサイクルが起こります。

高齢者の低栄養状態はフレイルに強く関わり、要介護状態につながる可能性が高くなります。

 

フレイルサイクルの図

フレイルサイクルの図

食事は大事!低栄養は、フレイルを起こす要因です

フレイルの進行予防にはバランスの良い食事と適度な運動が基本となります。食事の摂り方、運動の行い方を工夫することでフレイルが重症化することを防ぐことができます。

リハビリなどの運動をして体を作るにも、身体を作る栄養素(たんぱく質やビタミン、カルシウム等のミネラルなど)が必要です。

栄養不足の状態で運動を行っても、身体を作るはずの栄養素がエネルギーを作ることに使われるため、さらに筋肉が減少するなど低栄養状態を助長してしまいます。

口腔・嚥下機能を保つケアを

加齢とともに歯が抜けるなどして噛みにくくなると、硬いものが食べられなくなったり、口の中でうまく飲み込める状態にできなくなることがあります。

また、加齢に伴い飲み込む力(嚥下機能)が弱くなると、食べ物や飲み物が誤って気管に入る「誤嚥」が起きることもあります。
食べづらくなるにつれ、食べるのが嫌になり、低栄養を起こすこともあります。

義歯の調整や口腔清掃など、口の中を噛みやすくしておくケアをするほか、飲み込みづらさがあったらそのままにせず、嚥下機能を保つリハビリをするなど、食べる機能を低下させないようにしましょう。

筋肉量の低下は四肢だけでなく、嚥下の筋肉にも関わるので、病気などで食べにくかった後は、機能低下により更に食べにくくなる悪循環にも注意しましょう。また、機能が低下した場合には、その状態に合わせた食事形態や水分にトロミを付けるなどして、安全に食べられるように工夫したり、少量でも高エネルギー・高たんぱくの食品を摂ることにより、体力・筋力の低下を防ぎましょう。